株式会社KORTUC(東京都港区、代表取締役:松田和之)は、国立大学法人岡山大学(以下「岡山大学」、本部:岡山市北区、学長:槇野博史)と株式会社KORTUCが開発する新規放射線増感剤KORTUCのがんに対する免疫応答(抗腫瘍免疫応答)の活性化機構の解明に向けた共同研究を開始いたしましたのでお知らせします。
欧米先進国では、がん患者さんの約半数以上が放射線治療を受けています。しかし、乳がん、肺がんをはじめとするほとんどの固形がんでは、ある一定以上の大きさになるとがん中心部やその周辺部が低酸素状態となり、それが原因で放射線治療が効きにくくなることが知られています。KORTUCは新しい発想・発見に基づいた放射線増感剤であり、がん組織に酸素を供給するとともに、放射線抵抗性の原因のひとつである抗酸化酵素を失活させることによって優れた放射線治療効果を発揮することが期待されています。
また、放射線治療は抗腫瘍免疫応答を活性化することが知られ、免疫チェックポイント阻害剤との併用による抗腫瘍免疫応答活性化の相乗効果を期待して、多くの臨床試験が進行中です。しかしながら、放射線治療が効きにくくなる原因の低酸素状態は抗腫瘍免疫応答にも悪影響を及ぼすとされています。
腫瘍免疫の専門家である、岡山大学学術研究院医歯薬学域・腫瘍微小環境学の冨樫庸介教授はKORTUCの特徴的な殺細胞作用機序に着目しており、両者は共同で新たな抗腫瘍免疫応答の賦活薬としてのKORTUCの可能性を検討することを目指します。