弊社が開発中の放射線増感剤「KORTUC」に関する基礎研究論文が、放射線腫瘍学分野の権威ある学術誌「Radiotherapy & Oncology 通称Green Journal」に掲載されました。本研究は、当社が2021年以来共同研究を進めているブリュッセル自由大学(UZ Brussel, Brussels, Belgium)のMark De Ridder教授率いるチームによって実施され、KORTUCの新たな作用メカニズムが解明されました。本成果は、腫瘍低酸素状態克服に向けたKORTUCの技術を明らかにするものであり、がん放射線治療を大きく前進させる重要な成果と考えています。
論文「Revisiting Hydrogen Peroxide as a Radiosensitizer for Solid Tumor Cells」では、KORTUCはミトコンドリア経路を介して低酸素状態の腫瘍細胞における酸素消費を抑制し、腫瘍内の酸素レベルを回復させることで放射線治療の効果を大幅に向上させることが確認されました。
当社CEO松田和之のコメント
「現在、乳がんを対象としたピボタル第II相試験を実施しており、直腸がんや子宮頸がんなどへの適応拡大も計画中です。欧米市場上市を目指し、さらには世界市場への展開を視野に入れています。本研究成果は、がん治療における放射線治療の新たな役割を拓く可能性を示しています。弊社は、引き続き研究と開発に取り組んでまいります。」
論文はこちらからご覧ください:The Green Journal Abstract