株式会社KORTUC(以下 KORTUC)はSBIインベストメント株式会社が運営するファンドより資金調達を実施したことをお知らせします。これにより、すでにお知らせしたアクサ生命保険株式会社および入交グループ本社株式会社と併せて、シリーズCラウンドのこれまでの資金調達額は18.5億円となりました。
KORTUCは腫瘍微小環境※1の低酸素状態を標的とした画期的な治療抵抗性改善剤の開発を行なっています。本シリーズの資金調達により、英国で実施中の承認申請取得のためのピボタル試験※2を加速させ、また米国における新たなピボタル試験を開始します。
KORTUCのコメント
「新たに複数の投資家から強力なサポートを得られたことを大変嬉しく思います。KORTUCは、放射線治療や免疫治療を含むがん治療にパラダイムシフトを起こすと確信しています。世界のがん患者さんにとって福音となる製品を一日も早く届けるべく、英国ならびに米国における臨床試験を資金調達と共に加速させます」 (CEO 松田和之)
株式会社KORTUCについて
株式会社KORTUCは、高知大学名誉教授小川恭弘博士が発明した技術を世界で実用化するために設立されたバイオベンチャーです。現在、放射線増感剤としてのピボタル第II相試験を英国王立マースデン病院ほかにおいて局所進行性乳がんを対象に実施しています。2019年に完了した第I相試験でその安全性と有効性は確認され、その結果は2020年6月に米国放射線腫瘍学会学会誌(通称Red Journal)に掲載されました。2022年には米国でもピボタル試験を開始し、将来はあらゆる固形がんに対する放射線治療での利用を目指します。また、免疫チェックポイント阻害薬の効果改善にも役立つと考えており、抗腫瘍免疫応答の賦活剤としての実用化も目指しています。
※1 腫瘍微小環境(TME)は、腫瘍組織やその周囲に混在する正常組織や免疫細胞等、様々な細胞・非細胞成分から構成されます。TMEは腫瘍の進行に大きな役割を果たす一方、腫瘍を正常化させようとする働きもあることが知られています。
※2 新規の治療薬において有効性を示す主な根拠となり、新薬の承認申請に用いるデータをとるための試験